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プレス試作品をイニシャルコスト”ゼロ”で手に入れる方法
精密板金加工はレーザー加工やプレスブレーキ加工、溶接加工がありますが、今回は試作品など少量生産で使ってほしいプレス加工についてお伝えしたいと思います。
プレス加工が必要な製品の抱える問題
プレス加工とはご存じの通り、金型を使って塑性加工を行うことで、自動車部品や産業機器など幅広い製品の量産品に多く使われています。そのプレス加工の要とも言えるのが「金型」になります。プレス加工においては当然ながら必要となる金型のネックはなんといってもコストです。特に製品開発の為に試作を行う必要のある設計者にとっては、いかに安く・そして早く量産品と同じ形状の試作品を入手する使命がありますが、試作工程ではどうしても金型のイニシャルコストが大きなネックになります。簡単な絞りを行うだけの金型でも、安くても50万円以上かかってしまうからです。また金型を製作するだけでも、通常1~2カ月以上はかかってしまうので、スピードといった面からも設計者の皆様の頭を悩ませている事だと思います。
試作・少ロットにプレス試作加工
このように、「プレス加工は試作でも金型が必要だ!」というのは一般的な概念なのですが、実は単純な形状であれば、金型無しでプレス加工の試作品を製作することができるのです。
たとえば、下記のような感じのプレス試作品を、金型無しで、製作することができます。
材質:SUS304
板厚:1.2mm 絞り加工 |
材質:C1720
板厚:0.1mm 曲げ加工 |
材質:C1720
板厚:0.2mm 絞り加工 |
材質:SUS304
板厚:0.5mm 絞り加工 |
この絞り加工を行うにはどうやっているのかと言うと・・・ここは企業秘密なのでお見せすることはできませんが、この写真のように、加工自体はプレスブレーキを使って行っています。
もちろんこのプレス試作加工は、金型を使ったプレスに比較すると、深絞りはできませんし、高精度なもの、数が多いものへの対応は非常に難しくなります。
ですが、20ケ程度や、浅い絞りなどの場合は十分この方法で可能です。またコストも大幅に削減することができます。
当社なら…
当社ではこのようなプレス試作加工に加え、様々な溶接技術を駆使して板金製品を作ることができます。従って、大部分は絞りで作成し、一部は溶接を用いて部品を取り付ける、といったきめ細かな対応も可能です。
もし、プレス加工を含む試作品でお困りでしたら、株式会社マツダまでお気軽にお声がけください。
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