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アルミの薄板板金で採用される溶接方法とは?

アルミの薄板板金は、その軽量性や耐食性から、幅広い分野で活用されています。しかし、薄板であるがゆえに、溶接においては注意点があり、適切な溶接方法を選択することが重要です。

そこで今回は、アルミの薄板板金を製作する際に、どんな溶接方法を選択すればよいのかについてご紹介いたします。

 

「アルミの薄板溶接に最適な溶接方法がわからない…」

 

「取引先にアルミの薄板溶接を依頼したが、断られてしまってどうすれば良いか分からない…」

 

といった、アルミの薄板溶接でお悩みの方はぜひ本記事をご確認ください。

 

アルミの薄板溶接で採用される溶接方法とは?

まず、薄板とは一般的に1mm以下の厚さのものを指します。アルミの薄板を溶接する場合、熱影響による歪み溶け落ちといった問題が発生しやすいため、入熱量をコントロールしやすい溶接方法が適しています。

一般に金属を溶接するには、下記のように様々な溶接方法が用いられます。

図1. 溶接種類一覧

 

その中で、アルミの薄板溶接で使用される代表的な溶接方法を以下にてご紹介いたします。

 

①TIG溶接

TIG溶接は、非消耗電極であるタングステン電極と母材との間にアークを発生させ、その熱で母材を溶融させる溶接方法です。シールドガスとして主に不活性ガスのアルゴンを使用し、必要に応じて溶加材(溶接棒)を使用します。対応板厚は一般的に1mm〜数mm程度の薄板に使用されます。アルミは溶接時に酸化するため、アルゴンガスによって酸化から保護します。

 

TIG溶接は、アークが安定しているのと溶融池が目視で分かる為、作業がしやすく綺麗な溶接ビードが出来ますが、その一方で溶接速度が遅いという欠点もあります。

なおTIG溶接は熱伝導型の溶接になり、アーク熱を利用して母材を溶かし溶接する方法ですので、どちらかといえば浅く、広範囲の溶接に適しています。したがって、1mm未満の薄板などでは溶接範囲が広い為に穴があいてしまう可能性があり、注意が必要です。

 

TIG溶接の中でも、より薄い板厚に対応できるのが、「マイクロTIG溶接」です。マイクロTIG溶接は溶接部が0.1mm〜2mm程度と非常に小さく、低電流かつ短時間で溶接を行うという特徴があります。通常のTIG溶接と比較して熱影響範囲を非常に小さくできるため、歪みや熱による損傷を最小限に抑えることが可能です。

これにより、通常のTIG溶接では実現できない、より微細かつ高精度に溶接をすることができます。

 

②YAGレーザー溶接

YAG溶接は、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)結晶を用いた固体レーザー光を熱源とする溶接方法です。主にパルス発振を利用し、局所的に高エネルギーを照射して溶融させます。一般的に0.5mm〜3mm程度の薄板溶接に使用されます。

 

YAG溶接は、熱が一点に集中する為、熱の入りが少なく、またパルス制御のため、ビードは均一かつ幅が狭く、TIG溶接などと比較すると溶け込みが深く熱伝導も少ないのが特徴です。パルス制御による重ね照射の為、溶接ビードがうろこ状になりますが、熱伝導も少ない為、薄板溶接も比較的容易にすることが可能です。

 

③ファイバーレーザー溶接

ファイバーレーザー溶接は、光ファイバーでレーザー光を伝送する固体レーザー溶接です。YAGレーザーよりも高いビーム品質とエネルギー効率を持ち、安定した溶接が可能です。連続発振(CW)とパルス発振の両方が利用できます。ファイバーレーザー溶接は一般的に0.5mm~数mmの薄板から中厚板まで幅広く対応でき、より薄い板厚の精密溶接にも対応できます。

 

ファイバーレーザー溶接は、熱源が光なので、電流や電圧などの影響が少なく、レーザー光をレンズによって1点に収束している為、光を集約することが可能で、より小さな溶接径で局部を照射できるようになります。YAG溶接も同様にレーザー光を使用しますが、ファイバーレーザー溶接はさらにレーザー径が小さく集約でき、レーザー径は30~40μ程度になります。レーザー径が細いとより小さい範囲の局部溶接ができ、入熱量も少なくなります。よって極薄板溶接や微細溶接が出来る様になるのです。

 

 

より薄いアルミ薄板溶接にはファイバーレーザー溶接!

 

アルミは熱伝導率が高く、熱の影響で穴が開いたり、歪みが発生するといった事態が起こります。特に薄板の場合には、熱影響範囲を考慮して溶接することが重要で、より薄い溶接には、熱影響範囲の観点からファイバーレーザー溶接が採用されます。

図2. 溶接径 簡略図

 

図2から分かるように、TIG溶接は、熱影響範囲がファイバーレーザー溶接と比較して、大きくなっています。これは、タングステンを電極として使用しており、エネルギー密度が低く、溶接径が大きくなるためです。溶接径が大きくなることで、広く浅い溶接になり瞬時に溶接材料を溶かす事が出来ないため、母材を溶かすために余分に熱を入れる必要があります。その結果、熱が溶接材料全体に広がってしまい、場合によっては溶接母材に穴が空いてしまったり歪みが出てしまうことにつながります。

 

一方で、ファイバーレーザー溶接の場合は、溶接径が小さくエネルギー密度が高い為、狭く深い溶接により瞬時に溶接材料を溶かす事ができます。これは、ご紹介したように、レーザー光をレンズによって1点に収束することで、光を集約でき、より小さな溶接径で局部を照射することができるからです。その結果、入熱量も小さく済むので、より薄いアルミ溶接でも歪みを抑えた溶接ができます。

 

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当社は薄板溶接を得意としており、これまで数多くのお客様のご要望にお応えしてまいりました。上述のように一般的に薄板は、1mm以下の板厚を指しますが、当社のアルミ溶接の場合は、、0.1mmから対応が可能です。

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