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ベンダー曲げ不可なら、スリット曲げで対応する

通常、曲げ加工で対応できない製品には溶接を提案する場合がありますが、コストや見た目の観点はもちろん、溶接が難しい材質などを取り扱う際に、どうしても曲げ加工で対応してほしいという要望をいただくことがあります。そういった場合、当社では曲げ部分にスリットを入れた後に手曲げを行う、『スリット曲げ』加工を提案しています。スリット曲げ加工を採用することで、見た目がよくできることに加え、製品にもよりますが、約15%の加工コスト削減にもつながります。

 

スリット曲げ加工とは?

 

本製品は、まず切断時にベンダー曲げが難しい部分にスリットを入れておき、ベンダーを使用せず手曲げを行うものになります。

角度的に金型が入らない製品形状や専用型が必要になるような形状に対して、スリットを入れることで曲げやすくし、

手作業でも加工を可能にしております。

スリットの長さや幅、ジョイントの数などの調節で、板厚3mmでも問題なく加工できます。

 

実は、弊社の微細溶接の代表的な加工品「1mm角サイコロ」もスリット曲げを行っています。

下記の展開図をご覧いただくと、各面と面の間にスリットが入っていることがご覧いただけるかと思います。

1mm角の面6枚を別ピースで1枚1枚張り合わせていくことは難しいので、スリットを入れジョイントでつながった状態で手曲げを行い、サイコロ形状にしています。

そもそも製品サイズが小さく、通常のベンダーでは取り扱えない製品のため、専用型が必要になるような製品ですが、

スリットで曲げやすくしたことで手曲げにて対応ができます。

この製品では、さらに1カ所だけ凹凸をつけ、組みやすいように工夫しています。

 

 

次は、金型が入らない鋭角曲げの製品についてみてみましょう。

鋭角であったり、他の部品が干渉して曲げができない製品に対しても「スリット曲げ」は有効です。

例として下記の様な製品の場合、目的によって2つの提案が可能です。

 

①見た目重視の場合

スリットを鋭角側に持ってくることで外に見える曲げ部分は全てベンダー曲げとなりますので、

見た目が揃い美しい製品になります。

 

 

②鋭角の角度を求める場合

鋭角の角度を求める場合は、ベンダー曲げの方が曲げ精度が出やすいため、鋭角い部分をベンダー曲げします。

その後、右下の角を手曲げすることで、製品形状にすることができます。

 

 

 

スリット曲げ加工を採用することで得られるメリットは、以下の通りです。

①専用型が要らないため、とにかく形にしてみたい場合はスピーディーに製作できる

②溶接よる凹凸がなく、熱歪みを抑えられる

③1個あたりの製作コストが溶接よりも比較的安価

 (例)スリット曲げ加工:17000円/個、溶接:20000円/個

④ベンダー曲げができない形状で、溶接が難しい材料の場合も対応できる

 

ただし、全ての製品がスリット曲げ加工に対応出来るわけではありません。次のような条件を持つ製品には適さない工法ですので、その場合には溶接を推奨しています。

①気密性や水密性を必要とする製品

②スリット量にもよりますが、手曲げが出来ないほど板厚が厚い製品

③割れによる不良が起きやすい高硬度材を材質とした製品

④細かい曲げ精度が要求される製品

スリット曲げ部分に負荷がかかる製品

 

 

スリットを入れることで、曲げ加工時の穴の変形も抑えられる

 

これまで説明した溶接の代替となるスリット曲げ加工ですが、実はその他にもスリットを入れることで、VA・VEにつながるケースがあります。例えば、穴加工後に曲げ加工を行う製品では、曲げを行う部分と穴の距離が近すぎると、穴の変形を起こす可能性があります。その穴の変形を抑えるために、曲げ位置から穴を離すという提案もありますが、このような設計変更が許容できない場合もあります。そういった場合には、曲げ加工を行う部分に穴の直径と同じ長さのスリットを設けることで、穴の変形を回避することができます。

 

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精密板金加工のことなら、当社にご相談ください!

 

今回紹介したスリット曲げを組み込めば、これまで製作不可だった形状もカタチにすることができるかもしれません。しかし、製品に気密性が必要な製品や立上げが小さい製品ではスリット曲げ加工が採用できないため、その場合には溶接に切り替える必要があります。当社では、スリット曲げ加工のみならず、保有するファイバーレーザー溶接機を活用した歪みのない高精度加工を得意としております。曲げ加工、溶接のどちらの加工が適しているかのご相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。

 

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